とびひは、あせもや虫刺され、擦り傷などに細菌(多くは黄色ぶどう球菌か溶血性連鎖球菌)が感染し、水ぶくれやびらんを生じたものです。
病変部はむずがゆいためにかきむしり、手に細菌が付着します。
その手で別のところをかくと、そこに爪によって傷ができて新しい病変ができ、次々に化膿した病変が火の粉が飛ぶように広がってゆくことから、この病名がついています。
自分自身で病変を増やしてしまうだけでなく、兄弟やお友達にも細菌のついた手を介して感染が広がってゆきます。
とびひは肌が露出して、虫刺されやあせもなどができやい夏に多く発します。
元々の病変をきちんと早めに治療することと、皮膚や手を清潔にし、爪も短くしておくことが治療上も予防的観点からも大切なことです。
治療は抗生物質の内服と抗生物質軟膏または抗生物質含有ステロイド軟膏の外用が基本です。
場合によってはかゆみを抑える飲み薬や浸出液をおさえる亜鉛華軟膏が組み合わされることもあります。
消毒液は、浸出液に触れると殺菌作用がなくなること、皮膚の細胞にも毒性に働くこと、さらに、接触性皮膚炎(かぶれ)の原因になる可能性などから使用しないほうがいいとされてきています。
皮膚を清潔に保ち、菌が増殖しにくい環境を整えるために、患部はこすらない程度に泡立てた石鹸でやさしく洗い流すようにします。
浴槽につかることも問題ありませんが、シャワー浴のほうが適しています。
幼稚園や学校を休む必要はありませんが、プールはとびひが治るまではお休みさせた方がよいでしょう。